ファクタリングで資金繰りを改善〜成功事例に見るファクタリングのメリット
事業の運転資金が足りなくて困っている事業者の方は、「ファクタリング」と呼ばれる金融サービスを利用することで、資金繰りを改善できる可能性があります。
本記事では、「ファクタリングにより資金繰りが改善される理由」、「実際にファクタリングで資金繰りが改善された成功事例」、「ファクタリング利用時のメリット」、「ファクタリングで資金繰りを改善する時の注意点」などについて、詳しく解説を進めていきます。
この記事で分かること
ファクタリングで資金繰りを改善できる仕組み
まず、ファクタリングで資金繰りを改善できる仕組みから解説します。
ファクタリングとは、どのような資金調達方法で、銀行などからの「融資」とどのような点が異なるのでしょうか。
ファクタリングとは発生した売掛債権を売却すること
ファクタリングとは、「商品やサービスの提供後に発生した売掛債権をファクタリング会社へ売却することで、資金を調達する方法」です。
ここで、ファクタリングの手続きの流れを簡単に確認しておきましょう。
ファクタリングの手続きの流れ
- 取引先へ商品やサービスの提供(売掛債権が発生)
- 利用者は売掛債権をファクタリング会社へ売却
- ファクタリング会社から利用者の銀行口座へ売掛債権の売却代金の振り込み
- 売掛金が入金された後、ファクタリング会社へ売掛金を支払う(※)
※2社間ファクタリング利用時。3社間ファクタリング利用時は売掛先から直接ファクタリング会社へ支払いが行われる。
ファクタリングと銀行融資の違い
ファクタリングは「売掛債権の売却による資金調達方法」ですが、事業性資金の借入である「銀行融資」とどのような点が異なっているのでしょうか。
資金調達の種類 | ファクタリング | 銀行融資 |
---|---|---|
金利や手数料 | 手数料:売却する売掛債権の1%〜30%ほど | 金利:借入金額の2%〜5%ほど |
融資までの期間 | 1営業日〜10営業日以内 | 2週間〜1ヶ月以上かかる場合が多い |
審査の対象 | 売掛債権(や売掛先の経営状態) | 利用者の会社 |
審査難易度 | やや緩やか | やや高い |
信用情報への登録 | 無し | 有り |
メリット | 早期に資金調達できる、バランスシートの改善(オフバランス化) | 低金利で融資を受けられる、銀行との取引で安心感がある |
上の表から分かる通り、ファクタリングは銀行融資よりも入金までスピーディーで、緩やかな審査難易度で資金調達できるという傾向があります。
ただし、ファクタリングはファクタリング会社により手数料の設定が異なり、「1%〜30%」ほどになっている点に注意が必要です。
できるだけ手数料を下げてファクタリングを利用したい事業者の方は、インターネットだけでファクタリングが完結する「クラウドファクタリング(手数料2%〜9%)」などの利用も検討してみましょう。
ファクタリングによる資金繰り改善の成功事例
続いて、実際にファクタリングを利用し、資金繰りが改善できた成功事例について、紹介します。
ファクタリングにより運転資金を調達できた事業者
従業員10名のウェブ制作会社を経営しています。従業員が利用しているPCが古くなったので、新しいPCを家電量販店でまとめて購入しました。翌月末にクレジットカードでPC代金の支払いがあったのですが、外注業者に支払う費用を残しておくのを忘れていたため、なんと外注費の支払いができない状態に…。
そこで、売掛債権を現金化できる「ファクタリング」を利用してみました。はじめてのファクタリングでしたが、取引もスムーズに進み、3営業日ほどで入金され、なんとか外注業者への支払いに間に合いました!
(30代、男性、業歴8年、ファクタリング成功額:約180万円)
ファクタリングはスムーズな資金調達が可能
上の事業者は、支出が多かったタイミングにうまくファクタリングを活用し、「資金繰りを改善」させたようです。
もし銀行融資へ申し込んでいたら、資金調達まで1ヶ月〜2ヶ月ほど必要となるため、この事業者の方は、支払い期限に間に合わなかったでしょう。
従業員3名の小さなECサイトを運営しています。当店で扱っている商品がSNS経由で爆発的にヒットしたため、慌てて取引先に連絡し大量に商品を発注しました。商品を確保したのは良かったのですが、仕入れ先の支払い期限は「月末締め翌月末払い」で来月には高額な代金を支払う必要が出てきました…。事業の運転資金だけでは支払えないため、インターネットのショッピングモールの売上で入金待ちになっている「売掛債権」を利用し、ファクタリングを使ってみました。
300万円の売掛債権の売却をファクタリング会社へ申し込んだところ、あっさり審査に通過でき、90%ほどの270万円で買い取ってもらえて支払いにも間に合いました。
(20代、男性、業歴3年、ファクタリング成功額:約270万円)
ファクタリングはつなぎ資金の調達に向いている
上の事業者の方は、高額な仕入れ代金の支払いのためにファクタリングを利用し、無事に支払い期日に間に合ったようです。
ファクタリングは、このように売掛金が入金されるまでの期間の「つなぎ資金」として、資金繰り改善を期待できるでしょう。
ファクタリング利用時のメリット
資金繰りを改善できるファクタリングには、他にもメリットがあります。
- 赤字決算を出していてもファクタリング審査に通過できる
- 資金調達のスピードが早い
赤字決算を出していてもファクタリング審査に通過できる
ファクタリングは「借入」ではないため、ご自身の事業が赤字決算を出していてもファクタリングの審査に通過できる可能性が高いです。
ファクタリングは、主に売掛先の経営状態(=倒産しないか、売掛金を支払ってもらえるのか)が審査の対象となるため、利用者の会社の経営状態が悪化していても「売掛金未回収のリスク」に影響がないためです。
このため、銀行融資や日本政策金融公庫の審査に落ちてしまった…という方でも、売掛債権さえあれば、ファクタリングで資金調達できる可能性があります。
資金調達のスピードが早い
また、ファクタリングは申し込み〜入金まで非常にスピーディーで、1営業日〜3営業日ほどで資金調達できる可能性があります。
資金繰りに困っている事業者の方は、ファクタリングを利用することで、素早く資金繰りを改善できるでしょう。
クラウドファクタリングなら即日入金も期待できる
また、インターネットだけで申し込み〜入金が完了するクラウドファクタリングであれば、24時間以内の審査、審査通過後即日の資金調達が期待できます。
資金繰りの改善にファクタリングを利用する時の注意点
最後に、資金繰りを改善できるファクタリングを利用する時に注意しておきたい点について紹介します。
- 2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに注意
- 悪質なファクタリング会社には騙されないように注意
- 急いで資金調達したい方は2社間ファクタリングを利用する
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングに注意
ファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。
2社間ファクタリングの場合は、「売掛債権の譲渡を売掛先に伝えられない」というメリットがある反面、「手数料がやや高い傾向」があります。
また、3社間ファクタリングの場合は「手数料を抑えられる」というメリットがありますが、「売掛債権の譲渡が売掛先に伝えられる」というデメリットがあります。
2社間・3社間をよく検討した上でファクタリングを利用する
2社間、3社間ファクタリングにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、資金繰りを改善したい事業者の方は、どちらを利用するのかよく検討した上でファクタリング手続きを進めてください。
悪質なファクタリング会社には騙されないように注意
ファクタリング会社の中には、悪質なファクタリング会社も存在しています。
悪質なファクタリング会社を利用してしまうと、例えば、「ファクタリング手数料が低いと聞いていて契約したのに、聞いていた手数料より高くなっていた」というトラブルや、「口頭で聞いていた手数料だったけれど、諸経費で高額なお金を請求された」というようなトラブルが起こるケースがあります。
手数料が低すぎるようなファクタリング会社には注意
悪質なファクタリング会社に騙されないようにするには、以下のようなファクタリング会社には注意してください。
- 他社よりファクタリング手数料が極端に低い
- 法外に高いファクタリング手数料が設定されている
- 契約書が発行されない
このようなファクタリング会社は悪徳業者の可能性があるため、十分に注意するようにしましょう。
クラウドファクタリングは手数料が低くても安心して使える
なお、クラウドファクタリングであれば、AIによる自動審査などで審査にかかるコストが低いため、手数料が低く(2%〜9%)設定されています。
クラウドファクタリングは他のファクタリング会社よりも手数料が低いのですが、安心して利用できるので、手数料を抑えたい事業者の方はクラウドファクタリングへの申し込みを検討してみましょう。
急いで資金調達したい方は2社間ファクタリングを利用する
急いで資金調達したい、出来るだけ早く資金繰りを改善したいという事業者は、3社間ファクタリングより2社間ファクタリングを利用するようにしましょう。
3社間ファクタリングの場合は、売掛先の会社に売掛債権譲渡の同意・承認が必要なため、手続きに日数が必要となりますが、2社間ファクタリングの場合は、利用者とファクタリング会社間だけでの手続きとなるため、申し込み〜入金までスピーディーに手続きが完了します。
運転資金が足りなくて困っている事業者はファクタリングで資金繰りを改善させよう
本記事では、「ファクタリングにより資金繰りが改善される理由」、「実際にファクタリングで資金繰りが改善された成功事例」、「ファクタリング利用時のメリット」、「ファクタリングで資金繰りを改善する時の注意点」などについて、詳しく解説を進めてきました。
クラウドファクタリングはファクタリングの中で手続きが最もスピーディー
- ファクタリングとは入金待ちの売掛債権を売却すること
- ファクタリングは売掛債権の売却で「借入」ではない
- ファクタリングは銀行融資よりも資金調達のスピードが早い
- ファクタリングの審査は売掛債権の審査となるため審査基準がやや緩やかな傾向あり
- ファクタリングを利用すれば、入金待ちの資金を早期に調達できる
- 売掛債権があればファクタリングでつなぎ資金の調達が可能
- ファクタリングは赤字決算を出していても審査通過を目指せる
- クラウドファクタリングなら24時間以内の審査通過、即日入金を期待できる
- ファクタリング会社の中には悪徳業者もいるので注意する
- 急いで資金調達したいなら2社間ファクタリングを利用する
ファクタリングとは、入金待ちの売掛債権を売却することにより、資金を調達する方法です。また、売掛債権を早期に現金化できるため、資金繰りの改善に役立てられる金融サービスと言えるでしょう。
なお、ファクタリングは売掛先の経営状態が審査で重視されるため、赤字決算を出している事業者でもファクタリングの審査通過を目指せます。
資金繰りの改善を検討している事業者の方は、ぜひ本記事を参考にしながらファクタリングの審査に通過させて、資金不足の困難を乗り越えましょう。