個人事業主はファクタリングを使える?ファクタリングの審査に通過させる5つのポイント
ファクタリングとは、売掛債権(代金の支払いを受ける権利)をファクタリング会社へ売却・譲渡して資金を調達する金融サービスです。
ファクタリングのサービスは、中小企業が資金繰り改善のために利用するケースが多いのですが、「個人事業主」の方でもファクタリングを利用して資金調達できる可能性があります。
本記事では、「個人事業主がファクタリングを利用する時の審査難易度」、「個人事業主がファクタリングの審査に通過させるための5つのポイント」、「個人事業主が注意すべき悪徳ファクタリング会社」、「ファクタリング以外で事業資金を借りる方法」などについて詳しく解説します。
この記事で分かること
個人事業主はファクタリングの審査通過が難しい?
個人事業主はファクタリングを利用できる可能性がありますが、審査難易度が高い傾向がある点に注意が必要です。
個人事業主はファクタリングの審査が不利になりやすい
個人事業主の方がファクタリングの審査で不利になるのは、以下のような理由が考えられます。
- 事業の信用度が低い
- 売掛先の信用度が低い
- 売掛債権の金額が小さい
- 取引先から継続した入金がない
それぞれの理由について、詳しく確認していきます。
事業の信用度が低い
個人事業主は中小企業などに比べて倒産する可能性も高いため、事業の信用度はあまり高くありません。「個人事業主の倒産=売掛債権未回収のリスクがある」という点から、ファクタリングの審査が不利になるケースがあります。
売掛先の信用度が低い
また、ファクタリングは「売掛先の信用度」も重要です。売掛先の経営状態があまり良くない場合は、「売掛金未回収のリスクが大きくなりやすい」ため、審査が不利になる(または審査に落ちる)可能性が高いでしょう。
売掛債権の金額が小さい
一般的にファクタリング会社の利益は、売掛債権の10%〜20%ほどです。このため、売掛債権の金額が小さいほどファクタリング会社は利益を出しにくい、という特徴があります。
ファクタリング会社側は売掛債権の代金に関わらず、必要なファクタリングの手続きは同じ(=低額のファクタリングほどファクタリング会社の利益率が低い)ため、売掛債権の金額が低い場合は、ファクタリングの審査が不利になりやすい傾向があります。
取引先から継続した入金がない
ファクタリングの審査では、個人事業主の事業の安定性もみられます。
継続して売掛債権が発生し、安定して資金を調達できていなければ、倒産の可能性が高まるため、審査が不利になりやすいので注意してください。
個人事業主がファクタリング審査に通るための5つのポイント
ここまで、個人事業主はファクタリングの審査が不利になりやすい点について解説してきました。
続いてファクタリングの審査通過を目指すために押さえておくべき5つのポイントについて解説します。
- 個人事業主でも利用できるファクタリング会社を選ぶ
- できるだけ経営が安定した取引先の売掛債権を利用する
- 事業のホームページを作成する
- 個人事業主→法人化を検討する
- ファクタリングの面談時の身なりや振る舞いに注意する
個人事業主でも利用できるファクタリング会社を選ぶ
そもそもファクタリング会社によっては、個人事業主へファクタリングのサービスを提供していないケースもあります。
個人事業主が利用できないファクタリングへ申し込んでも審査に通らない=無駄な手続きとなってしまうため、ファクタリングへの申し込み前には「個人事業主でも利用できるのか」を確認しておきましょう。
できるだけ経営が安定した取引先の売掛債権を利用する
ファクタリングの審査では、売掛債権の信用度が重視されます。このため、ファクタリングを利用する時には、できるだけ経営が安定した取引先の売掛債権を譲渡・売却するようにしてください。
国や地方自治体、公的機関や大企業の売掛債権であれば、売掛先が倒産する可能性が低い(または、ほぼ無い)ため、個人事業主の方でもファクタリングの審査が有利になりやすいでしょう。
事業のホームページを作成する
また、事業のホームページがない個人事業主は、ホームページの作成も検討してみましょう。
ホームページに事業内容を記載することで、事業の安定性などをファクタリング会社へアピールできる可能性もあります。
個人事業主→法人化を検討する
個人事業主は社会的な信用度があまり高く無い傾向があるため、「法人化」することも検討してみましょう。
法人化すると社会的信用度を高められるため、ファクタリングの審査通過を目指しやすくなるでしょう。
ファクタリングの面談時の身なりや振る舞いに注意する
通常のファクタリングの審査では、ファクタリング会社で面談が行われます。
清潔感のある身なりで面談を受けるようにすれば、ファクタリング会社から良い印象を持ってもらえる=審査が有利になる可能性もあるでしょう。
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個人事業主がファクタリングを使用する場合の注意点
また、個人事業主の方がファクタリングを利用する時に注意しておきたいポイントもあります。
- 少額の場合は小口ファクタリングに対応する会社を選ぶ
- 自営業は債権譲渡登記できない
- 悪徳ファクタリング業者に注意
少額の場合は小口ファクタリングに対応する会社を選ぶ
ファクタリングの中には、「ファクタリング利用時の売掛債権の最低金額が100万円以上」に設定されているようなサービスもあります。
個人事業主の方が少額の売掛債権でファクタリングを利用する時には、「数十万円単位の小口ファクタリングに対応している」ファクタリング会社を選ぶようにしましょう。
ただし、小口ファクタリングが可能な場合でもファクタリングの最低金額は30万円ほどに設定されている場合が多いため、「30万円以上の売掛債権」がファクタリング利用時の必須条件と言えるでしょう。
自営業は債権譲渡登記できない
2社間ファクタリングは、ファクタリング会社が確実に売掛債権を回収するため、「債権譲渡登記」が必要になる場合があります。
しかし、個人事業主などの自営業の方は「登記簿謄本や法人印」などがないため、債権譲渡登記ができません。
個人事業主は、債権譲渡登記ができない=売掛金未回収のリスクが高いため、ファクタリングの手数料が高くなりやすい点に注意しておきましょう。
悪徳ファクタリング業者に注意
また、資金繰りに困っている個人事業主の方は、悪徳ファクタリング業者に騙されないように気をつけてください。
一般的なファクタリングの手数料よりも高額な手数料が設定されている場合は、悪徳業者の可能性があります。ファクタリング手数料は高くても20.0%以内である場合がほとんどなので、20.0%を超える手数料が設定されているファクタリング会社には十分注意するようにしてください。
悪徳ファクタリング業者を利用すると、高額な手数料を請求される等のトラブルに巻き込まれてしまうため、怪しい業者は絶対に利用しないようにしましょう。
ファクタリング以外で個人事業主が事業資金を借入する方法
個人事業主の方で、ファクタリングの審査に落とされてしまった…という方は、ファクタリング以外の方法の資金調達を検討してみましょう。
- ビジネスローンで資金調達する
- 日本政策金融公庫からの融資を利用する
ビジネスローンで資金調達する
事業性資金を調達したいという個人事業主の方にオススメなのは、貸金業者が提供している「ビジネスローン」です。ビジネスローンは、利息がやや高い傾向がありますが、以下のようなメリットがあります。
- 最短申し込み当日の即日融資が可能
- 赤字決算でも審査に通過できる可能性がある
最短申し込み当日の即日融資が可能
貸金業者が提供しているビジネスローンは、申し込み〜審査〜融資までが非常にスピーディーで、最短では申し込み当日の即日融資が期待できます。
事業の運転資金が足りず、すぐに事業資金が必要…というような個人事業主は、便利にビジネスローンを利用できるでしょう。
赤字決算でも審査に通過できる可能性がある
貸金業者が提供するビジネスローンは、赤字決算を出していても審査通過できるケースがあるため、経営状態が悪化している個人事業主の方でも借入できる可能性があります。
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日本政策金融公庫からの融資を利用する
個人事業主の方は、「日本政策金融公庫」からの融資も検討してみましょう。日本政策金融公庫を利用するメリットは以下の通りです。
高額な限度額があり、金利が低い
日本政策金融公庫には、さまざまな種類の融資がありますが、個人事業主の方でも利用しやすい「一般貸付」であれば、限度額4,800万円(特定設備資金: 7,200万円)、金利0.30%〜2.45%ほどで借入が可能です。
日本政策金融公庫は融資まで日数がかかるので注意
ただし、日本政策金融公庫は融資まで日数が必要で、申し込み〜資金調達までは、1ヶ月〜2ヶ月ほどかかります。
資金調達をあまり急いでいない方は低金利の日本政策金融公庫の融資がオススメですが、「今すぐお金を借りたい…」という個人事業主の方は、融資までスピーディーなビジネスローンをうまく活用するようにしてください。
個人事業主の方はファクタリングやビジネスローンで資金調達に成功させよう!
本記事では、「個人事業主がファクタリングを利用する時の審査難易度」、「個人事業主がファクタリングの審査に通過させるための5つのポイント」、「個人事業主が注意すべき悪徳ファクタリング会社」、「ファクタリング以外で事業資金を借りる方法」などについて、詳しく解説を進めてきました。
スピーディーな借入なら断然ビジネスローンがオススメ
- 個人事業主の方はファクタリングの審査が不利になりやすい傾向がある
- 売掛債権の金額が低いほどファクタリング審査が不利になりやすい
- ファクタリング会社によって個人事業主へサービスを提供していない場合もあるので注意
- 経営状態が良い取引先の売掛債権でファクタリングを利用する
- ホームページを作成しておくと事業内容を把握してもらいやすく審査が有利になる可能性もある
- 個人事業主の方は法人化させることでファクタリングの審査通過率を高められる
- ファクタリング会社の中には資金不足の個人事業主の弱みにつけ込む悪質な業者もいるので注意する
- ファクタリングの手数料が高すぎる場合は「悪徳業者」の可能性が高い
- ファクタリングなのに金銭消費貸借契約を締結した場合は「ヤミ金」であると考えられる
- 個人事業主はファクタリング以外にもビジネスローンなどを利用できる
- ビジネスローンは最短即日融資も期待できる
- 金利を抑えて借り入れしたい方は日本政策金融公庫の借り入れも検討する
個人事業主の方は、事業や売掛先の信用度が高くない、売掛債権の金額が低い、取引先から継続した入金がない等の理由から、ファクタリングの審査が不利になる傾向があります。
個人事業主の方がファクタリングの審査に通過させるためには、本記事で解説してきたように「経営が安定している取引先の売掛債権」を利用したり、「法人化」させて事業の信用度を高めたりするようにしましょう。
また、個人事業主の方でファクタリングの審査に通過できなかった…という方は、ビジネスローンや日本政策金融公庫などからの融資も検討してみましょう。