事業資金の借り換えによる3つのメリットと2つの注意点、成功させるためのポイントを解説
現在、事業資金を借入している方は、他社の銀行融資やビジネスローンなどへ「借り換え」を行うことで、事業資金の返済負担を圧縮できる可能性があります。
本記事では、「事業資金の借り換えの概要」、「事業資金の借り換えのメリット」、「事業資金の借り換え時の注意点」、「事業資金の借り換えを成功させるためのポイント」、「事業資金の借り換えのよくある質問」などについて、詳しく解説を進めていきます。
この記事で分かること
事業資金の借り換えとは?
事業資金の借り換えとは、具体的にどういった行為を指すのでしょうか。
事業資金の借り換えとは借入先を変更すること
事業資金の借り換えとは、「事業資金の借入先の金融業者を変える」ことを指します。
例えば、ビジネスローンA社から1,000万円の事業資金の融資を受けていて、銀行B社へ事業資金1,000万円を借り換えする場合を考えてみましょう。
- ビジネスローンA社から1,000万円の借入がある時に銀行B社から同額の1,000万円の借入を行う
- 銀行B社で借りたお金でビジネスローンA社の借入を完済する
- 事業資金1,000万円の債権がビジネスローンA社から銀行B社へ移る
- 利用者は銀行B社へ返済する
上のような手続きで、事業資金の借り換えが完了します。
事業資金の借り換えによるメリット
続いて、事業資金の借り換えによるメリットについて紹介します。
- 毎月の返済負担を減らせる
- 事業資金の借り換えにより金利を抑えられる
- 複数の借入先がある場合は1社の借入にまとめられる
毎月の返済負担を減らせる
事業資金の借り換えに成功できれば、毎月の返済負担の圧縮を期待できます。
例えば毎月の返済が50万円あった場合、事業資金を借り換えて(返済期間を延ばす等により)、毎月30万円の返済負担へ減らせる可能性もあるでしょう。
事業資金の借り換えにより金利を抑えられる
1,000万円を5年間で完済する借入で、金利10.0%と5.0%の返済総額の違いについて確認してみましょう。
金利 | 10.00% | 5.00% |
---|---|---|
返済総額 | 1,274万8,200円 | 1,132万2,600円 |
このように金利が異なると、返済総額に大きな差額が生まれます。
少しでも事業資金の返済総額を抑えたい事業者は、事業資金の借り換えをうまく活用してみましょう。
複数の借入先がある場合は1社の借入にまとめられる
また、事業資金を複数の金融業者から借入している方は、借り換えにより1社にまとめられる可能性もあります。
事業資金の借り換え(おまとめ)に成功すれば、毎月複数回の返済→毎月1回の返済となるため、「返済管理が簡単になる」という大きなメリットもあります。
こんな場合は損する!?事業資金借り換え時の注意点
なお、事業資金の借り換えで「損」しないように、以下の点に必ず注意しておきましょう。
- 金利が低い融資商品を選ぶ
- 借り換え先金融業者の手数料に注意する
金利が低い融資商品を選ぶ
事業資金の借り換えを利用するときには、必ず現在利用中のローンの金利よりも低い金利のローンを利用するようにしてください。
利用中の金利よりも高い金利の融資商品へ借り換えれば、返済総額が高額になり、損をしてしまうためです。
借り換え先金融業者の手数料に注意する
また、金利が低い借り換え先が見つかったとしても、金利の他に手数料がかかる可能性がある点にも注意が必要です。
例えば、銀行融資の場合など、事務手数料として5万円〜30万円ほどのお金や、収入印紙代などが別途必要となるケースがあります。
事業資金の借り換え先が見つかったとしても、金利の他に手数料が必要なのかどうかも事前に調べておきましょう。
事業資金の借り換えに成功させるためのポイント
事業資金の借り換えの成功率を高める(=借り換え審査の通過率を高める)ため、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 業績が良い時に借り換えの申し込みを行う
- 担保を入れて事業資金を借り換える
- 取引先銀行への借り換えも検討する
業績が良い時に借り換えの申し込みを行う
事業資金の借り換え時には、必ず審査が行われます。また、事業資金の借入の審査では、倒産などによる貸付金未回収のリスクを減らすため、「事業に安定性はあるのか」「返済能力はあるか」等をチェックされます。
赤字経営などで業績が悪い場合は、銀行融資やビジネスローンなどの借り換え審査が不利になり、審査に落とされてしまうでしょう。
少しでも事業資金の借り換え審査の通過率を高めるためには、「黒字を出していて業績が良いタイミング」で申し込むようにしてください。
担保を入れて事業資金を借り換える
また、事業資金の借入時には、不動産などの担保を入れて借り換えを行うのもオススメです。
借り換え金額と同等の価値のある担保があれば、金融業者は貸し倒れのリスクを抑えられるという観点から、事業資金の借り換え時の審査が緩やかになるためです。
取引先銀行への借り換えも検討する
また、普段から利用している取引先の銀行への借り換えも、審査通過率を高められる可能性があります。
メインバンクとして利用している銀行であれば、銀行は申込者の事業のお金の流れを把握しやすいため、(赤字を出していない場合は)審査が有利になりやすいという傾向があります。
長年取引のある銀行の場合は「金利の交渉」などもできる可能性があるため、今まで取引したことがない金融業者の融資商品を利用するよりも、有利に手続きを進められるでしょう。
どういう場合に事業資金の借り換えを利用すればいい?
事業資金の借り換えですが、どういった場合に利用すれば良いのでしょうか。
事業資金の借り換えをオススメしたいケース
事業資金の借り換えをオススメしたいのは、主に以下のケースです。
- 現在ビジネスローンで借入を行なっている事業者
- 複数の借入をしていて債務管理を一本化したい事業者
それぞれのポイントについて確認していきましょう。
現在ビジネスローンで借入を行なっている事業者
現在ビジネスローンで事業資金の借入を行なっている、という事業者は、「事業資金の借り換え」がオススメです。
ただし、ビジネスローン→ビジネスローンへの借り換えではなく、「ビジネスローン→銀行融資」への借り換えが良いでしょう。
ビジネスローンは金利が高い傾向があり、1000万円以上の借入でも10.0%〜15.0%ほどの金利が設定されるケースもあります。銀行融資の場合は、金利5.0%未満で提供されている場合がほとんどのため、ビジネスローンから銀行融資への借り換えに成功させることで、利息を大きく圧縮できる可能性があります。
複数の借入をしていて債務管理を一本化したい事業者
複数の金融業者から借入しているという事業者は、「事業資金の一本化」として、金融業者1社へ借り換えするのもオススメです。
複数の借入があれば、毎月複数回の返済が発生するため、事業の会計が煩雑になりやすいのですが、借入を一本化することで返済管理が簡単になるでしょう。
ファクタリングで事業資金を一括返済するという方法もある
また、事業資金の借入の金利が高くて困っているけれど、借り換えの審査に通過できない…という方は「ファクタリング」などのサービスの利用も検討してみましょう。
ファクタリングは売掛金の早期現金化のサービス
ファクタリングは借入ではなく、「売掛金(入金待ちの請求書等)を早期現金化する」資金調達の方法です。
また、ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社へ売却して資金を調達するため、「売掛先、または売掛債権」に問題がなければ、申込者が赤字決算を出していても審査通過は難しくありません。
銀行融資などの事業資金の借り換え審査に通過できない…という場合は、売掛債権を売却するファクタリングを利用して現金を調達し、現在利用中のビジネスローンを一括返済することも検討してみましょう。
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事業資金の借り換えのよくある質問
最後に、事業資金の借り換えに関するよくある質問について解説します。
日本政策金融公庫への借り換えは可能?
事業者の方は、金利の低い「日本政策金融公庫」への借り換えを検討している方もいるのではないでしょうか。
日本政策金融公庫へ借り換えはできない
日本政策金融公庫へ借り換えはできません。これには明確な理由があります。
日本政策金融公庫は民間ではなく、政府が出資している公的な機関です。日本政策金融公庫は利益が目的ではありませんが、民間の銀行や貸金業者は利益のために事業を営んでいます。
もし、銀行融資から日本政策金融公庫への借り換えを認めてしまったら、「政府が民間の利益を奪う(=民業圧迫)」ことになりかねません。
出典元:民業圧迫|コトバンク
このように民間の金融機関から日本政策金融公庫への借り換えは、民業圧迫の観点から禁止されている、という点に注意しておきましょう。
事業資金の借り換えに成功させて借金の返済額をできるだけ圧縮しよう
本記事では、「事業資金の借り換えの概要」、「事業資金の借り換えのメリット」、「事業資金の借り換え時の注意点」、「事業資金の借り換えを成功させるためのポイント」、「事業資金の借り換えに関するよくある質問」などについて、詳しく解説を進めてきました。
事業資金の借り換え審査に通過できない方はファクタリングで借金の一括返済も検討する
- 事業資金の借り換えとは、借入先の金融業者を変更すること
- 借り換えすると借金の債権が借り換え先に移る
- 借り換えによって毎月の返済負担を減らせる可能性がある
- 事業資金を借り換えることで利息を圧縮できる
- 複数の借入がある事業者の方は借り換え(おまとめ)により「返済」を1社にまとめられる
- 利用中の金利よりも借り換え先の金利の方が高い場合は借り換えのメリットがない
- 借り換え先の金融業者の手数料には注意する
- 事業の業績が良いタイミングで借り換えの申し込みを行う
- 担保を入れて借り換えする方が審査難易度を下げられる
- メインバンクとして利用している銀行への借り換えもオススメ
- ビジネスローン利用中の事業者は銀行融資への借り換えで金利を下げられる可能性がある
- ファクタリングで借金を一括返済するのもオススメ
- 低金利の日本政策金融公庫への借り換えはできない
- 利益を目的としない政府の金融機関へは「民業圧迫」の観点から借り換え利用が認められない
事業資金の借り換えとは、借入先の金融業者を変更することを指します。事業資金の借り換えに成功することで、毎月の返済負担を圧縮できたり、金利が下がることで返済総額を大きく減らせる可能性もあります。
また、複数の金融業者から借入している事業者の方は、「一本化」として借り換えすることで、返済を1度にまとめられるというメリットもあります。
なお、事業資金の借り換えの審査に通過できない…という事業者の方は、ファクタリングなどを利用して売掛債権の早期現金化に成功させて、「事業資金の借入を一括返済する」ことも検討してみましょう。