ギャンブル目的はNG!カードローン・キャッシング利用の落とし穴

更新日:2020年6月2日 2,056 view

ギャンブル目的の借金

世の中にはギリギリで何とか許される行為と絶対に許されない行為がありますが、カードローン・キャッシングに於いてはギャンブル目的のカードローン・キャッシングは絶対に許されません。時間の問題で破綻することが目に見えていることに加えて、その動機が許されないからです。そこで、本項ではギャンブル目的のカードローンを止めるべき4つの理由を具体的に解説していきます。

カードローン・キャッシングをギャンブル目的で利用すべきでない4つの理由

絶対に避けなければならないのはギャンブル目的のカードローン・キャッシングですが、その深刻な理由は以下の4つです。

  1. ギャンブルは長期間やり続けると必ず負けること
  2. ギャンブル依存症とカードローン依存症は車の両輪
  3. ギャンブル目的のカードローンは誰も助けてくれないこと
  4. ギャンブル目的のカードローンは自己破産もできないこと

これらについて以下で1つ1つ解説していきます。

ギャンブルは長期間やり続けると必ず負ける

もともとギャンブルは胴元が勝つ仕組みになっている

通常、ギャンブルには胴元がいて「てら銭」を取られますから、長期間に渡ってギャンブルをやり続ければ「てら銭」部分は確実に負ける様に仕組まれています。

例えば、カジノの場合は「ハウスエッジ」というシステムが存在します。「ハウスエッジ」はゲームで賭ける際に発生する手数料の様なものです。昔の日本の賭場に於いても「てら銭」を取られましたが「てら銭」と「ハウスエッジ」は全く同じで、ギャンブルは最初から負けたところからスタートしている訳です。加えてカジノには海千山千のプロのディーラーがたくさんいます。

ラスベガスのカジノに行くとよく解りますが、昼間や夜の早い時間帯は美人の若い女性ディーラーが楽しませてくれて少しは儲けさせてもくれます。ところが、深夜になると頭の禿げあがった男性ベテランディーラーが出て来て、アッと言う間に勝ち分の何倍も負けてしまうのです。この様なプロのディーラーに素人が勝てる筈はありません。

ギャンブルには還元率というものがある

もともと、ギャンブルには還元率が決められています。還元率とは賭け金に対して賭けた人に戻ってくる割合のことを意味します。

例えば、宝くじの還元率は45.7 %と当せん金付証票法に定められています。つまり、宝くじの売上金の45.7 %が当選金に充当され、残りは地方公共団体の地方財政資金に充てられています。ですので、競輪・競馬・競艇・オートなどを公営ギャンブルと呼ぶのです。

主なギャンブルの還元率は思ったより低い

ギャンブル名 還元率 根拠法
競輪 75.0 % 自転車競技法
競艇 74.8 % モーターボート競走法
オートレース 74.8 % 小型自動車競走法
競馬 74.1 % 競馬法
サッカーくじ(toto) 49.6 % スポーツ振興投票法
宝くじ 45.7 % 当せん金付証票法
パチンコ 85%前後(推測) 風営法

いわゆる公営ギャンブルの還元率は法律で定められたものですから厳密に実行されていると考えられます。一方、国内のパチンコ・スロットマシンや海外のカジノは民間企業が運営するギャンブルですから詳細は不明ですが、一般的にパチンコの還元率は85%前後と言われています。また、海外カジノの還元率はパチンコよりも少し良くて85%~95%と言われています。

従って、国内ギャンブルで言えることは掛け金の7割から8割のお金を参加者が奪い合う構図であるということで、ここで勝つ人は相当の強者であるということです。

ギャンブル依存症はカードローン依存を加速させる可能性

我が国のギャンブル依存症は推計で約70万人

現在、日本にはパチンコなどのギャンブル依存症が疑われる人が推計で70万人(厚生労働省)いると言われています。そもそも、ギャンブル依存症とはギャンブルをやること自体に心を奪われ「やめたくても、やめられない」状態になることを意味します。また、ギャンブル依存症は自らの意思でコントロールすることができず、ギャンブルをやめることができないれっきとした病気の状態を意味します。

通常、ギャンブル依存症の初期段階では自分のお金でギャンブルをしていますが、いつの間にか借金をしてでもギャンブルをしたくなりカードローンなどからの借り入れを通して社会生活や人間関係が悪化します。こうなるとお金を借りることに抵抗感がなくなり、借金をしないではいられない状態となり借金依存症となります。最後は闇金を利用してまでもギャンブルを行おうとするのです。

つまり、ギャンブル依存症と借金依存症は基本的には違うものですが、ギャンブルにはまることで借金が増え車の両輪の様に繰り返しているうちにどちらの症状も悪化してしまい取り返しがつかなくなります。恐ろしいことに、その様な状況に陥っても本人はギャンブルには勝てる・カードローンは完済できると思っているのです。

カジノ法案のギャンブル依存症対策は不十分

今年6月に「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案」が衆院を通過し、現在、ギャンブル依存症とカードローンなどからの借金依存症を懸念する声が強まっています。

今回の「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案」のギャンブル依存症対策として議論となっているのは、入場回数の制限が「7日間で3回・28日間で10回まで」となっていることです。また、入場料金は政府が最初に示した2千円から引き上げ6千円となりました。

しかしながら、「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表は土日の2日間に集中的に開催される競馬で依存症患者が後を絶たないことを理由に「なぜ7日間に3回で依存症にならないといえるのか」と指摘しています。また、ギャンブル依存症に詳しい専門家に言わせると、28日間で10回ギャンブルに行く人は立派なギャンブル依存症だと言います。

そして、ギャンブル依存症対策としてはお金を渡さないことが一番の対策と言われますが、今回の「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案」には「特定金融業務(貸付け等)」が許されています。

「特定金融業務(貸付け等)」でギャンブル依存症が増える

そもそも、カジノでお金を貸し付けるなどということが必要なのか甚だ疑問で専門家に言わせると「ギャンブラーを誘惑する危険な制度」ということですが、今回の「IR 法案」には何故か「特定金融業務(貸付け等)」がビルトインされています。つまり、「特定金融業務(貸付け等)」により利用者はカジノ施設からカジノで使う掛け金を借りることが可能になります。

その細則によりますと、貸付の対象は日本国内に居住していない外国人等で返済期間は最大2ヶ月・利息や手数料を加えた貸付は禁止等となっています。従って、無利子でギャンブルのタネ銭が手に入り返済期限は最大2ヶ月先となるとギャンブル依存症を助長する様な気がします。いずれにしても、非常に評価が別れる制度であることは間違いありません。

ギャンブル目的のカードローンは誰も助けてくれない

そもそもギャンブル目的でカードローンは作れない

カードローンの資金使途は原則自由ですが、それでも申し込みの段階で必ず資金使途は聞かれます。これは審査項目の一つに資金使途が入っているからで、その答えによってクレジットポイントが違ってきます。つまり、審査上、印象の良い資金使途がある一方で確実に審査に落ちるNGな資金使途もある訳です。

例えば、カードローンの資金使途としてレジャー費用・旅行費用・冠婚葬祭費用・資格取得費用などの場合は一時的に資金が必要なだけで返済能力に問題はないと解釈されます。一方、ギャンブル費用・株式投資費用・借金の返済などと書くと、それだけで審査に落ちることはありませんがクレジットポイントは低くなります。いずれにしても、嘘は書かずになるべく事実に近い使途を書くことが大事です。以下、参考までに審査にプラスになりそうな資金使途とマイナスになりそうな資金使途をまとめました。

審査にプラスになりそうな資金使途とマイナスになりそうな資金使途

プラスの資金使途 マイナスの資金使途
レジャー費用 ギャンブル費用
旅行費用 株投資費用
資格取得費 仮想通貨投資費用
習い事の費用 FX投資費用
教育費 借金返済費用
家の増改築費用 引っ越し費用
冠婚葬祭費用  

ギャンブル目的のカードローンは離婚理由にできる

世の中を知っている人ほど世の中は助け合いの部分が大きいことが解っている筈ですが、身内や親戚や知人の借金に助け舟を出す様な人でもギャンブルのためにカードローンに手を出した人は助けないでしょう。

何故なら、ギャンブル目的のカードローンは完全に常識人の道を踏み外した行為だからで、どう好意的に解釈したとしても弁解を受け入れる余地はありません。従って、ギャンブルのためにカードローンに手を出した場合に、配偶者からも見放される可能性も大です。

離婚訴訟専門の弁護士に言わせますと、パチンコ依存症などのギャンブル依存症による借金癖は一般的に改善の余地なしと判断され離婚することが認められるケースが多いということです。つまり、ギャンブル目的のカードローンで作った借金苦を助けてくれる人はいないということです。

ギャンブル目的のカードローン負債は自己破産もできない

自己破産しても借金がチャラにならないケースもある

一般的に裁判所から自己破産宣告を受ければ借入したお金の返済は必ず免除され借金がチャラになると思っている方が多いと思いますが、実際はそうではありません。自己破産宣告を受けることと借金がチャラになる免責を受けることは別だからです。

多くの場合、全ての申請書類に不備が無い時は破産手続開始から約1週間以内に破産手続き開始の決定が出ます。この時、「全く財産がない場合」と「一定以上の財産がある場合」で今後の手続きが変わりますが、債務者に特に大きな財産が残っておらず自己破産に至った経緯にも特に問題のない場合は、破産手続き開始と同時に手続は終了し同時廃止となります。

つまり、自己破産が宣告された形と言えます。そして、同時破産廃止決定から約1ヶ月~2ヶ月後に、いよいよ借金をなくすための免責手続きが開始されます。免責手続は指定された日時に裁判所へ足を運び審尋という裁判官との面接を行います。この裁判官との審尋で特に問題が無いと判断されて初めて免責決定を受け借金がチャラになる訳です。

借金がチャラにならない免責不許可事由

多くの場合は5分~10分程度の審尋で免責が認められ借金がチャラになりますが、極々一部のケースで免責が認められないケースが出てきます。つまり、免責不許可事由に該当し免責が不許可になった場合は、裁判所に自己破産の申請をしても借金返済は免除されないという事態に陥ります。

この免責が認められない免責不許可事由の考え方としては、意図的に財産の隠ぺいや所有財産の価値を低める行為をした場合や返済ができないとわかっていながら借入をした場合やギャンブルや浪費により返済不能な借金を作った場合や虚偽の説明を行った場合などがあります。つまり、生活苦や病気・解雇などのやむを得ない理由でカードローンを作り借金が増えた場合とは明らかに異なると判断されます。

通常、弁護士に依頼すると最初の段階で免責不許可事由についてチェックされ、万が一、免責不許可事由に該当する場合は何らかの対策を打つことになります。

主な免責不許可事由

  免責不許可事由 具体的な内容例
1号 破産財団価値減少行為 財産を隠したり壊したりして、財産の価値を減少させた場合など
2号 不当な債務負担行為 クレジットカードで買った商品を決済が済まないうちに売却するなどの行為など
3号 不当な偏頗行為 一部の債権者のみに対して返済期限前に返済を行う行為など
4号 浪費または賭博その他の射幸行為 ギャンブル目的で借金をした場合など
5号 詐術による信用取引 人を騙して借入をした場合など
6号 帳簿隠滅等の行為 帳簿などを偽造する行為など
7号 虚偽の債権者名簿提出行為 架空の債権者を債権者一覧表に記載するなど虚偽の債権者一覧表を提出する行為など
10号 7年以内の免責取得 前の免責許可決定の確定から7年以内に再度の免責許可申立てをした場合

ギャンブル目的のカードローンは非常にリスキー

もともと、カードローンは一時的に資金繰りがつかない時に、銀行や消費者金融会社でキャッシングしてお金を賄うものです。ですから最初から延滞や多重債務や債務不履行・自己破産を想定して借金する人はいません。誰もが一時的に借りたお金はキッチリ返済するつもりでキャッシングする訳です。ところが、ギャンブル目的のカードローン・キャッシングは、一か八かのギャンブルの勝負の資金をカードローンで調達するという邪道の行為です。

また、万が一、カードローンで借りたお金を返済できなくなった時のために自己破産などの債務整理手続が用意されている訳ですが、ギャンブル目的のカードローン・キャッシングは最初から自己破産などの債務整理手続という逃げ道を放棄していると言えます。ギャンブル目的のカードローンは「パラシュートなしのスカイダイビングの様なもの」とも言えるくらいリスキーな行為です。

「貸付自粛制度」ギャンブル・借金依存に残された最後の手段

この様に最後の逃げ道も閉ざされた人達に最後に残された最終手段は貸付自粛制度です。貸付自粛制度とは借金依存症やギャンブル依存症を抑制するための制度で、消費者金融会社やカードローン会社・クレジットカード会社などから借り入れを5年間制限して貰うことができます。

具体的には本人が借金依存症やギャンブル依存症であると自覚した場合、日本貸金業協会に対して自らを自粛対象者として申告します。或いは、親族のうち一定の範囲の者が申告することにより個人信用情報機関に登録し一定期間、カードローンやキャッシングが出来なくなる制度です。この貸付自粛制度を利用しようと考える人は、まだ、望みが残っているのかもしれません。

ギャンブル目的でのカードローン利用はやめましょう

ここまで述べてきました様にギャンブル目的のカードローンは最初からルールを逸脱した行為であるだけでなく、その行為を助ける人も救済する制度も無いのが救いようのないところです。

その結果、ギャンブル目的のカードローンの行き付く先は、自己破産も出来ずに一生の間、貸金業者から逃げ回る人生です。或いは、戸籍や住民票も無い世界で孤独に生きるしかないのです。身の破滅を避けるため、ギャンブル目的でのカードローン・キャッシング利用は絶対にやめましょう。

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