不動産ローンのメリットとデメリット
大きなお金を借りたい時には、不動産ローンをうまく活用できるかもしれません。しかし、不動産ローンを利用する際のメリットやデメリットもあるので、この記事で詳しく解説していきます。
この記事で分かること
不動産ローンとは
不動産ローンとは、不動産担保ローンを指します。つまり、不動産(一戸建てやマンション、別荘、土地など)を担保に入れてお金を借りる方法なんです。また、不動産担保ローンは利用目的別に2種類あります。
事業性資金に利用できる不動産担保ローン
不動産を担保にして借りたお金を、事業の資金として利用できるローンを指します。ビジネスローンの一種で、個人の不動産投資や、法人の事業の運転資金、設備投資、従業員の給与など、事業に関する資金に利用できるローンです。
事業性資金以外に利用できる不動産担保ローン
こちらは不動産を担保にして借りたお金を、事業資金以外に利用するローンです。個人であれば、生活資金の他に結婚資金や車購入資金、教育費など、様々なシーンで利用できます。個人で不動産担保ローンをお考えの人は、ほとんどの方がこの「事業性資金以外の不動産ローン」を利用します。
不動産ローンのメリットとデメリット
不動産担保ローンのメリットやデメリットを解説していきます。いくつかあるので項目ごとに確認していきましょう。
不動産ローンのメリット
まずメリットから確認していきます。数百万円〜数億円という高額な不動産を担保とするので、利用時には大きなメリットが受けられます。
- 大きなお金を借りられる
- 審査に通過させやすい
- 低金利で借りられる
- 長期間の借り入れができる
- 借り換えやおまとめローンとして利用できる
大きなお金を借りられる
高額な不動産を担保に入れるため、大きなお金を借りられるんです。一般の人が簡単にローンとして利用するカードローンなどであれば、せいぜい500万円〜1000万円が借り入れ上限額ですよね。また、総量規制などの影響もありカードローンで1000万円という大きな金額を借りている人ほぼいない、と言えるかもしれませんね。
不動産ローンであれば担保に入れる不動産の評価額にもよるのですが、最大数千万円〜数億円まで利用できるものもあるんです。
審査に通過させやすい
不動産を担保に入れるため、審査に通過させやすいんです。理由は、利用者が借りたお金を返済できなくなってしまっても「担保にしている不動産で貸付金を回収できる」ためです。不動産ローンを提供する金融業者から見ても、利用時に貸し倒れされる可能性がほぼ皆無となるため、不動産を担保に入れることで審査に通過させやすくなるんですよね。
低金利で借りられる
また、不動産ローンは低金利でお金を借りられます。一般的に広く利用されているカードローンであれば、13%〜18%ほどの金利となりますが、不動産ローンを利用すれば3%〜9%ほどの金利で利用できるんですよ。例えば10%金利が違えば、返済総額に大きな差額が出てくるんです。
金利 | 3% | 13% |
---|---|---|
返済総額 | 1078万1214円 | 1365万1844円 |
このように10%金利が異なると、300万円近くも返済総額に違いが生まれてくるんです。不動産ローンは低金利でかなり返済総額を抑えられることが大きなメリットとなるんです。
長期間の借り入れができる
不動産ローンは大きなお金を借りる場合が多いため、長期間で借りたお金を返済していくことになります。カードローンであれば、たいていの人は3年〜5年程度で完済させますが、不動産ローンで大きなお金を借りた場合では、20年、30年という長期間でお金を返済する契約を行えるんです。長期間に返済できるということは、毎月の返済額を抑えられる可能性があるということです。ただし、返済できるお金があるのに長期間での返済を行なってしまうと返済総額が膨れてしまうので、できるだけ毎月の返済額を増やして短期間で返済する方法もおすすめですよ。
借り換えやおまとめローンとして利用できる
また、不動産ローンを別のローンから「借り換え」したり、複数のローンを「おまとめ」したりすることも可能です。例えば現在カードローンを利用している人は、不動産ローン契約後、借りたお金で「カードローンの一括返済」を行えば、不動産ローンへの借り換えができるんですよね。
また、ローンが複数ある人で不動産ローンの方が金利が低ければ、不動産ローンをおまとめローンとして利用すれば返済総額をかなり抑えられるんですよ。また、複数の借入れをしている人は、加重平均金利を計算して現在借入れている金利の平均値と不動産ローンの金利を比較してみましょう。金利の平均値は下記の方法で計算できます。
複数のカードローンの利息総額 ÷ 複数のカードローンの借入総額 = 平均金利
とても簡単に計算できるので、複数のローンを利用している人は一度計算してみましょう。
不動産ローンのデメリット
不動産ローンにはデメリットとなる側面もあります。詳しく解説していきましょう。
- 申し込み〜融資まで時間がかかる
- 手数料が必要となる
- 返済できなければ不動産を失う
- 解約すると解約手数料(違約金)が発生する
申し込み〜融資まで時間がかかる
不動産ローンは高額な担保を入れるため審査基準は緩やかなのですが、不動産担保の評価額などの審査が必要なので、どうしても審査に日数がかかるんです。不動産ローンは最短でも1週間程度かかるので、前もって「いつお金を借りたいのか」しっかりと計画を立てておきましょう。
また、誰でも利用者しやすい銀行や消費者金融のカードローンであれば、即日キャッシングにも対応してくれる場合もあります。とにかく急いでお金を借りたい人は、不動産ローンを検討するよりもカードローンがおすすめですね。
手数料が必要となる
カードローンでは事務手数料などかからないのですが、不動産ローンは様々な手数料が必要となるんです。この手数料とは、根抵当権設定費や収入印紙代、登記費用など様々な費用を指します。ちなみに不動産ローンを利用した時にかかる手数料は、借り入れ金額の1%〜3%が目安となります。例えば1000万円を不動産ローンで借りる時には10万円〜30万円、500万円を借りる時には5万円〜15万円ほどを目安に考えておきましょう。
返済できなければ不動産を失う
不動産を担保に入れてローンを組むので、借りたお金を返済できなければ、担保に入れた不動産を失うことになります。もちろん、借りたお金は必ず返済しなければなりませんよね。しっかりと毎月返済を行うのはもちろんなのですが、今後あなたが収入を得られなくなった最悪の状況も考慮し、じっくりとよく考えて不動産ローンを利用しましょう。
解約すると解約手数料(違約金)が発生する
不動産ローンを利用中に、他社への借り換えやおまとめとしてローンを解約すると、違約金となる解約手数料が発必要となります。金融業者により異なりますが、およそ1%〜3%が違約金となってしまうんですよね。例え1%と言っても、1000万円借りている場合は10万円ものお金を支払わなければいけないので、間違いのない不動産ローン選びが重要となります。また、不動産ローン選びに失敗しないためには、次の項目で解説するポイントを押さえておきましょう。
不動産ローンを選ぶ時に重要となるポイントとは?
不動産ローンの利用を考えている人は、これから紹介するポイントを押さえた上で様々な不動産ローンを検討してみてくださいね。少しでもお得に利用できるように、しっかりと確認していきましょう。
- 低金利の不動産ローンを選ぶ
- 手数料の負担が少ない不動産ローンを選ぶ
- 借り入れ上限額
低金利の不動産ローンを選ぶ
不動産ローンは一般のカードローンよりも低金利なのですが、その中でも特に金利の低いローンを選びましょう。不動産ローンで数千万円単位の大きなお金を借りる人は、少しでも金利が低い不動産ローンを選んで返済総額を圧縮させましょう。また、不動産ローンで公表されている金利には幅があるのですが、他社と比較するためには「金利の上限額」で確認しておく方が無難と言えます。下限の金利でローンを契約できる場合はほとんどなく、たいていの場合、金利の上限に近い利率となるためです。
手数料の負担が少ない不動産ローンを選ぶ
不動産ローンは様々な手数料がかかってきます。いくら金利が低く設定されていても、「手数料が高くて結果的に返済総額が膨らんでしまい、損してしまった」という状況になってしまう可能性もあるんです。不動産ローンを検討する時は、「金利」と「手数料」を総合的に判断する必要があるんです。
借り入れ上限額
そもそもあなたが借りたい金額を借りられるかどうか、を前もって確認しておきましょう。もし不動産ローンの上限額が借りたい金額よりも低く設定されていれば、その不動産ローンを利用できませんよね。また、不動産ローンの申し込み手続きには非常に労力がかかってしまうのも事実なんです。
せっかく時間をかけて不動産ローンを申し込んでも、利用できなければ申し込みに費やした苦労が水の泡となりますよね。あなたが利用したいと思う不動産ローンを選ぶためには、実際に申し込む前にはゆっくりと時間をかけて様々な要素を比較検討しなければいけません。
数百万円だけの借り入れならカードローンも検討してみよう
不動産ローンはあなたにとって最適のローンなのかをもう一度検討してみましょう
確かに不動産を保有していて担保にできる人であれば、不動産ローンは大きなお金を確実に借りられるベストなローンと言えるかもしれません。しかし、もし今後あなたの収入源が途絶えて返済が滞ってしまうと、担保に入れた不動産を失ってしまう危険性もあるんですよね。今利用する最適なローンが本当に不動産ローンなのか、をもう一度よく検討してみることも大切なんですよ。
今すぐ少しだけお金を借りたいという人はカードローンを利用しよう
当編集部では、例えば一時的に100万円以内のお金を借りたいという場合であれば、わざわざリスクを犯してまで不動産ローンを利用する必要がないと考えています。大切な不動産を失うリスクがあるのであれば、無担保でお金を借りられるカードローンを利用して一時的な資金不足を乗り越える方法をおすすめします。不動産ローンは簡単に大きなお金が借りられるとは言え、利用には大きなリスクもあるので、カードローンや目的別ローンなどの様々なローンを比較検討してみてはいかがでしょうか。